2012年10月31日水曜日

マルチデバイス対応とは、オーディエンスを選ぶ時代になる!

アドテック東京2012 ライブセッション・レポート

 今日10月31日(火)は、広告とITの国際イベント、アドテック東京の初日でした。
 ワークショップのひとつ、ライブセッションにモデレーターとして登壇させていただきました。今日のゲストは、カナダのMobify社のイゴール・ファレスキー氏と、渡辺春樹氏(ビービッド)、戸井精一郎(日本経済新聞)、田中剛(花王)の4人で展開させていただきました。




どんどんデバイスが増えてきています。
スマートフォンだけの時代では、なくなってきている。

 すでに、7インチ・タブレットが登場してきました。 iPad miniをはじめ、Kindle Fireなどがそれです。またタブレットでも10インチのNexus10が登場しました。
  http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1210/30/news026.html


つまり、どんどん違うサイズのデバイスが登場してきています。3.5インチだった旧iPhone、4~5インチのスマホ群、6~7インチのタブレット群、8~10インチの
タブレット2群と、まさにモバイルデバイスが百花繚乱となり、スクリーンサイズはどんどん増えていく時代になりそうです。



 マルチスクリーン時代のポイントは、
  • PCはどんどんタブレットPCへ置き換わっていく。
  • デバイス対応には、OneWebが理想である。そうしないと製作側は手間やコストが大変だ。
  • なにが何でもOnewebというわけではないが、いまはそれが一番近い解決策だ。




■本当の意味のモバイルファーストを求めて

 そして、今回のライブセッションで方向が見いだされたのが、「選ぶのは、オーディエンスである」ということ。これは、過去ブラウザ対応のように、異なるブラウザで表示チェックをしたように、今度はデバイスをどう併せていくかが問われていきます。

 そこでの課題は、どうデバイスやOSに対して、表示を最適化するだけでなく、「コンテンツをどう出し分けるかが課題だ」というところがポイントです。

 PCをベースにした時代から、PCを元に変換するとしても、今後は、コンテンツをどう整理するか?そして、大事になってくるのがオーディエンスのターゲットがどういう人たちかを見極める必要があるということです。


ワンソース・マルチデバイスで
コンテンツを出し分けるということ。

 そこで初めて「モバイル・ファースト」というキーワードがでてきました。モバイルファーストでコンテンツを組み立て直し、そこから各サイズのデバイスに出し分けることが重要だということです。

 オーディエンスを選ぶ。まずあるべきなのは、やみくもなデバイス対応ではなくて、まずターゲットあり。そしてコンテンツが決まってきます。そこでは、どういうコンテンツ形態にするか、 どこのデバイスを起点のソースにするか?が決まってきます。

 オーディエンス選定から、コンテンツ選定、次にデバイス選定、その上でワンソース・マルチデバイスが考えられると予想されています。

 こうなると、開発の余地はまだまだたくさんあります。
 さて、どう料理していくか、考えただけでもエキサイティングです。







2012年10月18日木曜日

新OS、新デバイスになったら、Web表示が正しくできますか?

10月も後半、ようやくiPhone5を手に入れることができました。
使い始めて、まだ一週間ばかりですが、最初のレポートとします。

 私が購入したのは、KDDIのauバージョン 16GBモデルです。auショップ人形町店です。ちなみに、ここの人形町店だと、64GBなら、案外すぐに購入できるようですよ。

 さて、持った感じは少し違います。掌サイズだった「4」のラインに比べて、少し長くなりました。掌スッポリではなく、ちょっとはみ出してしまう感じです。巨大化するアンドロイドと比べて、iPhone4は頑なに、従来のサイズを守ってきたともいえるのですが、今回は、少し縦方向に伸びました。この拡大はどう受け入れられるのでしょうか。

 で、一番の問題がそれほどサプライズがないこと(5Sや5Cもそうなりましたが)。4の延長なので、仕方ないですが、もう少しなにか期待感が欲しいところですね。一番の問題が、バッテリーの持ちが悪い点です。省エネ設定などを試してみましたが、それほど変わりません。もう少し様子をみて、ダメならショップに相談してみることにします。

まとめ。

○ 
・さらに精緻化されたデザイン、ディテールの処理に感動。
・薄く軽くなり、軽快な感じが多少します。
・アンドロイド製品群がふた昔前に見えてしまいます。素材といい。


・意外と発熱する。結構使い続けると熱い。

×
・思ったほど感動が少ない。アップルに科せられたサプライズが足らない。
・電池が持たない。iPhone4よりも30%ほど悪い。



新OS、新デバイスで、Web表示は対応できていますか?

 さて、新機種、新OS登場によるモバイルWEBサイトの対応状況が実は本題です。 新しいデバイスやOSが表れてきたときに、意外な盲点としてWEBが崩れてしまうことが多々あります。
 それが、スクラッチの工法だったり、CMSサーバー側のテンプレートの設定だったりすると、どうしても新デバイスへの対応やOSへの対応がすみやかにできなくて、WEBを修正、やり直しなどの作業が生まれてきます。
 多くの原因は正しいWEBの記述がされていないのが原因です。正規化されないデザイナー独自の技やローカルルールが、当たり前のように存在しているからです。









こういう場合でもクラウドの対応のサービスならば、意外とスムースに対応でき、もし不具合があったとしても極めて短時間で対策が図れていきます。
つまりサービス提供側でその対応の多くが賄われ、クライアント側による改修の負担が最小限で抑えられるわけです。特にデバイスのデータベースの管理は、個別でやると結構大変になります。


 今回のようなiPhone5もiOS6のような社会的なインパクトがある場合でも、細かいバグは心配になります。しかし、1)スクラッチの場合は前ページ槍換えなどの致命的な対応になる可能性もある。 2)CMSなどのテンプレート調整もテンプレート作成の数が多かったりします。また改修のためのスピード対応を考えると、さらに厳しい対応がせまれることも覚悟しないといけません。


 10月23日には、ipadミニがどうやら発表される見込みですが、GoogleのNexus7 アマゾンのKindle などでも、WEB対応は、新たな問題が発生する可能性があります。何しろ、7インチは誰もがノーマークだったジャンルです。いろんなコンバート方式、構築方法がある中で、やっぱりおすすめなのは、メンテのリスクが極めてすくないクラウドタイプの最適化サービスです。

 



企業としては、過去のWEB資産や、予算確保しなければならない都合から、一気にサイトリニューアルは難しいのが現状です。
 まずはサイト最適化サービスくらいから、無理のないところで、最適なモバイル対応を行う。

そのために、対応力のあるツールを選んでおくことが重要になります。ぜひこの機会に
新しいデバイスへの対応、OSへの対応についてチェックをしてみてください。



  

2012年10月17日水曜日

【北米モバイル通信】 オープンソース化には、リスクを冒すバリューがある。

 私たちの扱っているMobify.jsがこの夏オープンソース化されました。
オープンソース化に伴い、どういう発展があるのか、リスクがあるのか、Mobify社の中でも
相当な葛藤があったようです。同社のCEOが可能性とリスクについてハーバード・ビジネスレビューの中で,次のように語っています。(占部)




オープンソース化には、リスクを冒すバリューがある。

 だれもがタダで手に入れたいと思っています。
しかし、自らのビジネスそのものに、他人からのアクセスを認めることに抵抗はないでしょうか?それは価値の判断なのでしょうか?


 2012年初頭、モビファイは、プラットフォーム技術の重要な部分をオープンソース化する判断をしました。オープンソース化は、mobify.jsという弊社の主力のフレームワークのことです。Mobify.jsは、Web制作者やデザイナーにとって、モバイル向けのWebサイトを簡単に作れるようにすることを可能にします。

  オープンソース化とは、ソフトウェアのソースコードを公開し、誰もが入手可能とし、そうすることで、ほかの人がソフトウェアを独自のバージョンに作り替えたり、修正を加えたりすることができます。人気のブラウザであるMozilla Firefox、イメージフォーマットのPNG。またApacheは、ウェブサーバの技術として特に有名ですが、オープンソース技術の代表例といえるでしょう。



 起業家は「オープンソース化は成功へのカギだ」ということに気付きました。Andre Charlandの会社「Nitobi ソフトウェア」は、主力製品のPhoneGap2010年にオープンソース化した後にAdobeに買収を受け入れました。Charlandは言います。「こんなに早くはできなかった」「自分のコードがどれだけ良くなるか、どれだけ早く多くのユーザーに届くか、に驚かされることでしょう。」

 オープンソース化の決断は、私たちにとって簡単なものではありませんでした。Mobify.jsのオープンソース化の前に、内部でのディスカッションをたくさん行いました。タダでフレームワークを提供したら、それを動かすための、私たちのプラットフォームは必要とされるだろうか?競合相手がこれを使ったらどうしようか?もし悪用されたら?利益にどう影響するだろう?もし、だれも使おうとしなかったら?

 オープンソース化には謙遜と勇気が必要です。時には屈辱的なことだってこともあるでしょうが、フードを取り払い、コミュニティに引っ掻き回されることで、気付かなかったバグを見つけられるます。
 あなたは自分のチームに対して、起こりうる事態に備えなければいけませんし、柔らかな物腰でフィードバックを受けることの大切さを教えなければいけません。同時に、なぜこの方向に進んでいるのか、確固たる理由や何を得たいのかについて、考えておく必要があるでしょう。

 私たちの目的は、製品の性能を高めることです。素晴らしい成功をおさめるオープンソース・プロジェクトは、数千人ものコミュニティ・メンバーによって、厳しく見直され改善されていきます。Mobifyには25人のソフトウェア開発者と品質保証のプロフェッショナルがいますが、世界のすべてのソフトウェア開発者と出会えるわけではありません。彼らは可能性を試しプロジェクトに貢献してくれています。

 貢献者たちはシリコンバレーにだけとは限りません。オープンソース化は、インド、ブラジル、中国といった巨大な市場に参入する効果的な方法になりえます。実際に各国のプログラマーとともに仕事をしたことがありました。彼らはローカルな問題を解決する手助けをしてくれました。ある地域ではソフトウェアへの支払いをする文化がなかったり、支払いをする余裕がない場合もあります。また、コードや関連資料の翻訳のために、現地の開発者をリクルートすることもあるでしょう。
 
 私たちは、オープンソース化は会社のどの部分がどのように関わるのかについて考えました。長年、私たちは数多くのオープンソース・ソリューションを利用してきました。私たちの仕事は、先行するオープンソースがあるからこそできることなのです。自社のソフトウェアをオープンソース化は、オープンソースコミュニティに負う借りを返す方法なのです。

 最後に、こららは従業員にどのような意義をもたらすでしょうか。私たちは、正しい企業風土を育てることに関心を持っています。開放的であることや透明性に価値を見出しています。これらが成功を導きます。コードをWebに入力するたびに、健全な会社となっていくのです。プログラマーには能力主義的な人が多いのですが「オープンソース化すれば、いいソフトウェアが勝つ」と、彼らの心に響くでしょう。

 

 オープンソース化はリスクを伴いますが、利益をもたらします。製品やサービスのバグを発見できるだけでなく、新しい市場、新しい製品のアイデア、新しい才能の源など、あらゆることへのチャンスが得られることでできるでしょう。

by Igor Faletski  |   7:00 AM October 12, 2012

 


2012年10月2日火曜日

【北米モバイル通信】55%のモバイル保持者がインターネットを利用

スマホユーザー数がすでに過半数を超えてしまったアメリカ市場。日本とは違って、すでにスマートフォンサイト対応がからタブレットサイト対応に関心がシフトしているという状況です。それではアメリカ人の利用状況はどうでしょうか?「ピューリサーチ」の結果をみてみましょう。(占部)


 ピュー・リサーチの調査結果によると、米国に暮らす成人のモバイル利用者の半数以上は、すでにモバイルを介してインターネットやEメールを利用しています。

 この調査の数字は、現在、アメリカ人のほぼ90%が携帯電話を所有していますが、そのうち成年アメリカ人の49%が携帯電話を利用してインターネットにアクセスし、74%の人々が最低でも一日に一回は、インターネットを利用していることがわかりました。























 

 2009年には、わずか31%の携帯保持者しかインターネットを利用していなかったことを考えると、これは驚異的な成長です。

ピュー・シニア・リサーチ専門家のアーロン・スミスは言います。
「私たちは、3年間でインターネット利用者が倍増するのを見てきました。この国はモバイル利用者を、5年間で0%から半数にしたのです

これらの背景には、2007年のiPhoneの誕生があります。iPhoneは、スマートフォンブームを引き起こし、携帯電話による高品質のWeb閲覧を実現したのです。













ネットユーザーの年齢層

各年齢の人々がスマートフォンを通してインターネットを利用しています。調査では、収入が7500ドル以上の世帯だけに絞ると、インターネット利用率が69%になることが明らかになりました2016年には米国だけでも、スマートフォンは6890億ドル売り上げをもたらすと推測されている中、これは重要なことです。


アプリやスマホによるプロモーションが必要

 お店で携帯電話を開き、商品の値段がインターットの方が安いかどうかを調べたことはありますか? 米国の小売りの売り上げ全体の5.1%(1590億ドル)はスマートフォンに影響を受けています。

コンサルティング会社デロイトによると、スマートフォン利用者はスマートフォン以外の携帯電話利用者と比べて、店内で買い物をする確立が14%高く、スマートフォンは店内の売り上げを動かす大きな要因となっています。

デロイトのカシー・コボー氏は言います。
「もはや小売り業者は、アプリやスマホによるプロモーションで購買者を引き付けることのできないと、ライバルに客を奪われてしまう。
 買い手とつながるためには、小売り業者は店の形態、形式、商品に対する購入後の反応に注意を払い、買い手の要望や経験に基づいて戦略を練り直す必要があります」


つまり、
小売り業の成功には、モバイル戦略が必要不可欠である

すばらしいモバイルサイトは、新しいダイレクト販売・店内販売をもたらします。
すばらしいモバイルサイトは、客に購買を促進します。
それは競争相手ではなく、これらを実行した企業だけに利益をもたらします。

※モビファイのPhil Webb, July 9 2012