2014年5月26日月曜日

モバイルの利用時間はすでに50%越え、コミュニケーションプランは不十分だ!

過半数越えをしてしまったスマートフォン利用状況


「2014年はモバイルの年なる」という大予測でスタートしたことを記憶しています。
 ところが、すでに実際には、モバイル利用者がすでにPCユーザーよりも多くなっている事実をご存じでしょうか? 4月15日、総務省情報通信政策研究所が「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」でスマートフォン利用が5割を突破したことを発表しました。


 また、昨年11月にヤフーのトップページのUU数(訪問者数)の割合が、モバイルがPCを逆点したことが言われています。つまり、日本一のポータルサイトに訪れるのは、もはやPCからではなく、スマートフォンやタブレットからの訪問者のほうが多いのです。実際に女性ターゲットを商材とするサイトからも、すでにモバイルがPCを上回ったという報告をもらっています。最も多いのはマタニティやベビー関連の子育て層(80%以上)で、次に20代から30代の女性層でも60%~70%が平均的(!)となってきてます。

 こうした動向を常にウォッチしている私でさえ、この数字の伸びは圧倒的な勢いです。この感覚は、かつて中国のGDPが日本を追い越した2006年くらいの感覚に、とても似ています。「来るぞ来るぞ、後ろから中国が」というのが、実際にオーバーテイクされる段になって、あっとう間に間に追い越していって、見えなくなったときのような感覚です。実際にティーンや大学生などの保有率でいえば、スマートフォンが80%以上ですから、利用時間もこれからどんどん置き換わっていくことは予想されます。

モバイルがPCを逆点するという本当の意味


 さて、この利用時間が過半数を超えてしまうという意味はなんでしょうか?「広告が最適化されていない」に、尽きるのではないでしょうか?
 予算の大半が女性商材と考えれれば、すでにPCの利用は半分を割っているわけですから、今後もPCだけだと、なんと片手落ちと言えます。

 元々Webの価値とは「データを計測」できる点にあります。WebはPOSシステムのようなもので、「さまざまな広告プランの真ん中において、リアルタイム(に近い)計測ができる点に価値がある」ということでした。クロスメディアやIMC(統合マーケティングコミュニケーション)の理論でも、真ん中はWebが最適だというものでした。

 つまり、今の広告プランの多くは、Webのアクセス解析を元に、ユーザー動向の把握、LTV(ライフタイムバリュー)を測ってきたわけです。

 ところが、ここに大きな歪みがでてきました。PCのアクセスがモバイルよりも下回ってきているのです。モバイルのユーザー動向は、PCサイトが主流のユーザー動向とは大きく違うことが、私たちの研究でもわかってきました。つまり、「今のコミュニケーションプランは、モバイル向けには最適化されていない」と。

 となると、スマートフォンに加えて、今度伸びるであろうタブレットを含めたマルチスクリーンでのアクセス解析と分析がますます重要になってきます。

 モバイルのアクセス解析を見ると、PCに比べて大きく異なるケースもあります。地理的なアクセスが大きく代わったり、場合によりそれは国単位だったり、時間帯や休日利用が大きく代わる場合もあります。また年代や性別までも代わってしまう場合も見受けられます。
 これからはそうした各デバイスごとのアクセス状況をみながら、それぞれのコミュニケーションプランを最適化しないと片手落ちというわけで、CVRは大きく下がってしまうことが予想されます。


モバイルサイトがなければ、

コミュニケーションプランなんてできない。



 もしモバイルサイトがなければ、それはユーザー対策をしていないことと等しいかもしれません。
 何度も繰り返しますが、利用者層が20%台ではなく50%を大きく越えているのです。いいかえれば、モバイルWebを用意していない企業は、正しいコミュニケーションができていない、していないという現実です。
 モバイルサイトがなければUX(ユーザーエキスペリエンス)は低いままの状態です。ユーザーは、場合によりPCを持っていない可能性もあります。彼ら、彼女が持っているのは、スマートフォンであり、タブレットです。今日、若者向けに新聞広告を出そうとする企業はいないはずです。

それが現実に、Web環境に起こってきています。2014年はモバイルの年という呑気なターニングポイントというより、ドラスティックに意識を変えなければならない「PCウエブの最後の日~This Year is the end of PC-web」なのかもしれません。