2013年3月25日月曜日

iOS対Android そのシェア争いの結果は? 

iOS対Android そのシェア争いの結果は?

ドコモからはTIZAN、KDDIではFirefoxによるモバイルOSが発表されましたが、ではこの新しいモバイルOSは、どういう戦いをこれから挑むことになるのでしょうか?

 アメリカにおけるモバイルOSの割合が、Mobify社により発表されました。これらは約2億人のユニークユーザーと2万件モバイルサイトを持つ、同社独自のネットワークから算出されたものです。

 私たちは、iOSとAndroidばかりに注目しているように思えますが、実はこの2つのOSだけで全体の93%のシェアを持っています。またBlackberryは4%。つまり残っているのがWindowsを含め3%に過ぎないというわけです。


  • 赤=Android
  • 青=iOS
  • 紫=イーブン 50:50

 結果として、赤く見える部分が、Androidのシェアが高い州。青く見えるエリアが、iOSの割合が高い州です。50:50のイーブンの州がむらさき色で表しています。

 ここで言えるのは、PCとモバイルでは異なる環境にあるということです。つまり、今後のモバイル戦略を考えるならば、93%のシェアを持つ iOSとAndroidにフォーカスしたほうが無駄がありません。

 よく質問を受ける中に、Windows Phone や 上記にあげた新OSについて質問がでますが、シェアが上がってくるまでは無視してもいい存在です。同様に、ブラウザも Safari Chrome, Firefox Operaぐらいにとどめておくことが重要です。そのほかのブラウザはなきに等しいのです。またKindle Fireに搭載されているブラウザ、 Amazon Silkもまだまだシェアは小さすぎるといってかまいません。

 数字的な根拠とともに、注力する対象にフォーカスして、無駄のないモバイルサイト構築をすることが重要です。








2013年3月17日日曜日

モバイルサイトは、スクラッチで構築したほうが儲かるという「妖怪の正体」!

モバイルサイトは、

スクラッチで構築したほうが儲かるという「妖怪の正体」!

この1年間は、ずっとモバイルサイトをより効率的に作る方法というものを調査・研究してきました。ようやく、はっきりしてきたので、これらを整理してまとめようとおもっています。
 ところがやっかいなのが、目に見えぬ壁、理想を追わないほうが儲かるという壁です。



1.スクラッチで構築する

まず、スマートフォンサイトの多くが「スクラッチ構築」で作られています。つまり、手作業で、別途でスマートフォンサイトを作る手法のことで、大手サイトの約6割はこの構築方法で作られています。

○と×

○自由に、制限なくモバイルサイトが構築できる。

×運用コストが延々にかかる。×別サイトでマーケティング的に不都合。

 だから、そろそろ企業のWEB担当者はもう気づいています。スクラッチで構築すると「最初はやすく済ませられるけど、あとあとのコストが大変に無駄」と。


2.サーバーサイドでテンプレート調整

CMSをベースにする手法のひとつですが、サーバーサイトでのテンプレート調整で対応します。これはエンジニアがテンプレートを設計する方法です。仕組みとして持っているというよりも、個別でスクラッチで構築される場合もあります。一元管理できるという点では、ある意味で理想のアプローチですが、エンジニアのコストや微調整におけるスピード感、またデザインのフレキシビリティで考えると、問題は少なくありません

○一元管理できる 
×コストがかかりすぎる。 
×小回りがきかない。融通性がない。 
×実際の対応はスクラッチで構築が多い 


 このほかにも、プロキシーソリューションやアプリ対応などがありますが、北米では、ほぼレスポンシブウエブデザインと、このサーバーサイドテンプレート調整の2つに絞られてきた感じがあります。(後述しますね。今度)

古いやり方のほうが業者は儲かるという現実

 ともかく、スクラッチは、マルチスクリーン時代においては、領域が変わるため、今後のモバイル対応には向かない手法です。
 またサーバーサイドのテンプレート調整を含め、より効率的にものごとを解決するよりも、従来のやり方をしたほうが、都合がよく「儲かる」という本音もあります。

(なんとなく暴露系ジャーナリズムのようになってきましたが、、、、)

 スクラッチでの構築は、制作費がかかり、その後の運用更新でも作業料がかかります。また、サーバー代やチェックにもが二重にコストがかかるために、理屈として請求がしやすくなるようです。
 業者の口説き文句は、「モバイルとPCは違うから、専用サイトでいいですよ。」「スマホはモバイルファーストで作る必要があります」「デザインも自由にできます」と、ものすごい根拠のセールストークをするようです。


 また、サーバーサイドのテンプレート調整でも、ある大手ベンダーの技術担当者がいいまいした。「安く効率的に作るよりも、5000万円ぐらいのCMSを売りつけたほうが儲かるですよ」「毎月のメンテナンス費用も結構稼げます」「コンテンツ移行させるのだけでも結構手間だから200万円~300万円くらいかかります」

(もうすっかりナニワ金融道の世界です。)

 大手広告代理店においては「もっと儲かる仕組みならうれしいんですけど、なんとかなりませんか?」と尋ね返して来る始末です。

某・元大手ITベンダーの関係者が、私にアドバイスしてくれました。

「昔からそうなんですよ。ITやインターネットといっても、元は建築関係の見積もり構造なんです。なのでオーソドックスで儲かる仕組みをキープしようとします。大手になればなるほどそういうもんですよ」


企業担当者もわかってはいるが、なかなか整理は難しい。

 企業担当者の方もいいます。「まあ相手も儲けないといけないだろうから、今は高くならなければ許せる部分があるけど、今後はねえ~。そりゃもちろん、ダメでしょ。」

 もっとも、企業担当者の大変です。スマートフォンだけではなく、タブレット対応も考える必要があるし、One WEB化対応の必要性、PCではなくモバイル中心のWEBリニューアルなど、まさに激動期で、「なにがベターか」は、混乱は高まるばかりでしょう。

 私としては、今後の変化に対応できる、リーズナブルで、フレキシブルなモバイルステップアップ方法をレポートしていきいたいと考えています。なのでよろしくお願いします。




2013年3月12日火曜日

Googleのエンハンスド・キャンペーンは、モバイルサイトをどう変える?


「グーグルが、モバイルとデスクトップ、それぞれの広告の壁を吹き飛ばす!」

 2月6日に、Googleが自らのブログニュースで、奇妙なニュースを流しました。
2013年の半ば、7月頃に、いままでのモバイル広告とPC向けの広告の区別を止めて、ひとつに広告手法に統合するというものです。これを「エンハンスド・キャンペーン」といいます。

http://www.businessinsider.com/google-blends-desktop-and-mobile-ads-2013-2?utm_source=Responsive+Design+Weekly&utm_campaign=82238c0a14-Responsive_Design_Weekly_044&utm_medium=email


 この発表が意味するものはなんでしょうか?

  今後のGoogleの広告キャンペーンにおいては、スマートフォン、タブレット、パソコンなどの複数のスクリーンにおいて常に橋渡しができるように設計されます。また、全媒体を合わせたレポートの作成も可能になるといいます。


 これによるメリットはなんでしょうか? CNETで報じられいるメリットでいえば、

  • デバイス、場所、時間帯といった状況に合わせたデータ管理。ひとつの広告キャンペーンで、すべての表示媒体に対しての入札単価の調整が可能。
  • ユーザーの状況に合わせた広告の最適化が可能
  • 異なるデバイスにまたがってコンバージョンを測定できるレポートの作成が可能

つまりチャネル単位ではなく、より人にフォーカスしたプロモーションが可能になるといいます。


 また、逆にデメリットはなんでしょうか?

クライアントにとっては2つありそうです。ひとつは、いままでより多くの広告費を支払う必要があるということ。これはGoogleのAdwords広告のクリック単価(CPC)が、5四半期連続で下がり続けていることにも要因があります。Googleには下がりきったモバイル広告の単価をあげたいという目論見があるからです。


 ランディングページのOneWeb化も大きな課題

これも重要な問題です。というのも、現在はモバイル用とPC用では、ほとんどの場合、ランディングページが別々に作られています。つまり「領域」がことなるわけです。スクラッチの方法もそうですが、CMSでサーバーサイドテンプレート構築、プロキシーソリューションの変換サービスで作られたモバイルサイトは、どれもそうです。


 もし、今後のリスティング広告を結果を正確に分析しようとすると、ランディングページは同一URL、OneWeb化が必至となります。そうしないと、レポートの整理が乱雑になってしまい、その整理はやっかいになるからです。

 あるメディアの友人が応えてくれました。

「メディア側というよりも、企業側のほうが大変じゃないでしょうか。Eコマースやリスティング広告を使用する企業なら、One Web化のためにサイト設計をやり直す可能性もでてくるでしょう。解決策は、Onewebによる最適化サービスやそれに対応したCMS構築、レスポンシブデザインの3つしかありません。それ以外の方法で構築すると、再び手直しが必要になって来る可能性があります」

 つまり、現状では、ランディングページは別々の場合がほとんどである。いままでは、デバイスというチャンネルに対して広告課金されていたから、それ専用のランディングページでもよかった。それが今後は、人に対して広告料をとるという仕組みになってくる。もうチャンネルはどこでもよくて、その経由など補足するには、「One Web」=ひとつのURLでないと都合が悪くなるというわけです。
  企業側はマルチ・チャンネル化によりコスト増なのに、別ページとなるモバイルページやプロキシーソリューションでは、再びやり直す必要もでてきている。

タブレット対策、OneWeb化など、いまから無駄のないモバイルサイトの構築を考えておく必要がますます大切になってきました。