モバイルファーストは、ファーストフードなり~?
前回のレポートでは、「PCサイトは幕の内弁当なり~!」というテーマをまとめて見ました。これはPCサイトには、できるだけ多くの要素を詰め込むことが常に考えられてきたからです。過去15年間以上、私たちに染みついてしまったパッケージ手法です。それは、受け手というよりもむしろ、「送り手の思いを詰め込むためのテクニック」だったようにも考えられます。
さて、今後重要視されるモバイルファーストのデザインとはなんでしょうか?
これは(1)圧倒的に画面スペースが小さいということです。次に、使われ方が(2)屋外で利用されることが多いということです。これらは、フューチャーフォンの時代にも、よく語られたことでしたが、以前は、PCとフューチャーフォンは別ものと捉えられていました。しかし、今ではスマートフォンがPCと同じものであり、PCやタブレットと連携しながら使うことが可能になったことから、よりモバイルに適した設計やPCとの連動できる設計が求められています。
米国のスターバックスのWebサイトは、現在レスポンシブデザインで展開されていますhttp://www.starbucks.com/。
レスポンシブデザインというのは、さまざまなデバイスに対して、適合できる手法の一つで、今後のマルチスクリーン、マルチデバイスへの最適表示方法として注目されている手法の一つです。
しかし、私の友人のMobify社イゴール・ファレスキーが、昨年末にシアトルでスターバックスのWeb担当者からコメントをもらったようです。「今回のリニューアルは、一部では失敗だった」ことを認めたようです。
みなさんは、なにが失敗だったのか、実際にスマートフォンで試してみてもらえますか?
結論としては、モバイルでムービーは不要だったということです。つまり、PCと同じコンテンツの扱いは、かならずしも正ではないということです。モバイルで必要だったのは、ストアロケ-ター(店舗位置情報)だったり、キャンペーン限定商品だったりと、優先準備が変わってきます。
モバイルファーストの発想に立てば、よりターゲットの状況に即したコンテンツを提供することが重要です。
この場合、レスポンシブデザインは、マルチスクリーン対応を考慮したものの、モバイルファーストは十分に考慮されていなかったと言えます。
モバイルファーストを考える上で、例えのひとつとしてファーストフードがふさわしいでしょう。マクドナルド、吉野屋、ケンタッキーなどなど、前回の「PCサイトは幕の内弁当なり~」とは大きく変わってきます。
ポイントは、素早いこと、目的が明確であること、価格がリーズナブル、この3つに集約できるのではないでしょうか?
(1)すばやいこと
目的の商品がすばやく探せますか?つまりローディング時間が高速でないといけません。また、素早く探せるUIも必要です。
(2)目的が明確であること
目的が買い物なのか、地図なのか、料金表なのか、より明確な選定が必要です。スターバックスの場合は、ショートムービーよりは店舗情報検索でした。ターゲットをもう一度見直して、彼らが求める内容を精査する必要があります。
(3)価格がリーズナブル=モバイルならでの手頃感
お手軽であることが重要です。とくにEコマースの場合は手軽に購入できる商品を中心にまとめることを考慮する必要があり、そういう意味では、PCサイトとは違う商品を用意することも必要のようです。
そして、ここでは、より多くの要素ではなく、限られた要素に絞ることも重要です。PCサイトは真逆なミニマムな発想をもって検討してみることが必要です。
これらを検討しながら、「モバイルファーストのためのサイト作り」を考えてみてはいかがでしょうか?
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