モバイルファーストという言葉が使われ始めています。
この言葉は、元ヤフーUSAのチーフアキテクトであり、eBayでも活躍したUI/UXデザイナーのルーク・ウロブスキーが2009年に提唱した言葉です。2011年9月には、彼の著書「モバイルファースト」が、米国で発売され、ようやく日本でもこの言葉が少しずつ使われ始めているようです。
モバイルファーストを簡単におさらいすると3つのポイントがあります。それは3つの社会変化といえます。
1)急拡大するスマートフォン端末の拡大
2)限られた画面における制約ーコンテンツフォーカスが必要
3)新しいテクノロジー 位置情報や音声認識などの登場
以上の変化が生活スタイルに関わってくるために、今後はPCによるデスクトップファーストではなく、モバイルを中心とした「モバイルファーストでの行動スタイル、コンテンツ様式が求められてくる」といいます。
このことを突き詰めていくと、
もはや重要視すべきなのは、モバイルサイトであって、
デスクトップサイトは、二番目に考えればいいという考えです。
すでに主婦層や若年層では、スマートフォンを中心とした行動様式のシフトが始まっており、PCサイトのモバイルからの流入率は 40%を超えようとしています。これらは欧米なみに、1年後には間違いなく50%を超えてくる可能性があります。
バズワード化するモバイルファースト?
このモバイルファーストについての考えは、後述するとして、この言葉は、少々暴走気味に一人歩きをはじめている気配もあります。
ある携帯端末会社のスタッフはいいます。自分たちのサイトはモバイルファーストで作ってあるから大丈夫です。話をしていくうちにちょっと定義がずれているのに気がつきまいた。彼らは、モバイル専用のサイトをスクラッチで作る。または、スマートフォン専用のアプリを開発するという意味で使われていました。
専用アプリがモバイルファースト?これには少々驚いてしましました。それは言葉として間違いないかもしれませんが、デバイス間の連携やコンテンツの流用=ワンソースマルチデバイスなどはまったく考えられていなかったからです。
ルークの考えるモバイルファーストをあえてわかりやすくいえば、
「モバイルを中心にWEBサイトを設計し、それをマルチスクリーン対応にして効率化をはかること」
と理解します。そしていま注目されているのは、ユーザーはデバイス間で遷移をするということです。
今後、明らかにされる、モバイルへの流入率、利用時間、滞在時間、Eコマースの伸びのデータの公表は、間違いなく、モバイルファーストに対する感覚を大きく変えていくことでしょう。
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