2014年6月30日月曜日

PCサイトはなくらないと思う理由について

「タブレットはどれくらいのシェアになっているのでしょうか?」
という質問を最近、よく聞きます。

 今年4月発表の内閣府の調査では、タブレット保有率は平均で、20.9%となり、いよいよキャズムを超え始めてきました。

 実際に、昨年11月には、ヤフーのトップページにおいても、PCサイトからのアクセスは過半数を割り、モバイルからのアクセスが上回っているのが現実です。そして現在、女性サイトや女性ターゲットのサイトでは、モバイルからのアクセスが6〜7割と想定し、PCサイトをサブとして位置づける企業が増えているようです。

 ところが、このドラスティックな事実は、それほど大きな大事件とはなっていません。
「ついにPCサイトが陥落」とか「モバイルアクセスが過半数に!」とか「さよならPCサイト」などとは、ほとんど聞こえてきません。

 なぜでしょうか? インターネット歴史の中でPCサイト20年の歴史の中で、はじめてのデバイスチェンジが行われようとしているのに、意外と静かなものです。

この錯覚のような感じはなんなんでしょうか?

下記のチャートをみてください。その理由とは、私たち自身が、未だにPCユーザーの仲間内だからではないでしょうか?



 私たちというのは、「インターネットを仕事にしている仲間」です。Web担当者、IT企業、ネット広告代理店、Webデザイナー、プログラマーなど、みんな実はPCが大好きで、大好きでなくても、日々PCを使いこなしています。もちろんスマホもタブレットも持っている人たちでもあります。毎日、インターネットにどっぷりはまり、好きに仕事して、疲れ果てもして、公私の境目なく、使いこなしている人たちばかりでしょう。

 こういう関係者ばかりが集まっていると、いつまでたってもPCは主役の座いあり、PCサイトは欠かせないという存在になってしまいます。

 つまらない理屈かもしれませんが、私を含め、同じ穴のムジナのようなものです。「PCサイトは永遠に不滅です」とか「なかなか不要にはならないよ」と言っているような気がしてきます。

これも老害というのでしょうか?

老害(wikiより)→老害(ろうがい)とは、高齢者たちが実権を握り、若年者(若者)たちが充分に活動できない状態を言う

2014年5月26日月曜日

モバイルの利用時間はすでに50%越え、コミュニケーションプランは不十分だ!

過半数越えをしてしまったスマートフォン利用状況


「2014年はモバイルの年なる」という大予測でスタートしたことを記憶しています。
 ところが、すでに実際には、モバイル利用者がすでにPCユーザーよりも多くなっている事実をご存じでしょうか? 4月15日、総務省情報通信政策研究所が「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」でスマートフォン利用が5割を突破したことを発表しました。


 また、昨年11月にヤフーのトップページのUU数(訪問者数)の割合が、モバイルがPCを逆点したことが言われています。つまり、日本一のポータルサイトに訪れるのは、もはやPCからではなく、スマートフォンやタブレットからの訪問者のほうが多いのです。実際に女性ターゲットを商材とするサイトからも、すでにモバイルがPCを上回ったという報告をもらっています。最も多いのはマタニティやベビー関連の子育て層(80%以上)で、次に20代から30代の女性層でも60%~70%が平均的(!)となってきてます。

 こうした動向を常にウォッチしている私でさえ、この数字の伸びは圧倒的な勢いです。この感覚は、かつて中国のGDPが日本を追い越した2006年くらいの感覚に、とても似ています。「来るぞ来るぞ、後ろから中国が」というのが、実際にオーバーテイクされる段になって、あっとう間に間に追い越していって、見えなくなったときのような感覚です。実際にティーンや大学生などの保有率でいえば、スマートフォンが80%以上ですから、利用時間もこれからどんどん置き換わっていくことは予想されます。

モバイルがPCを逆点するという本当の意味


 さて、この利用時間が過半数を超えてしまうという意味はなんでしょうか?「広告が最適化されていない」に、尽きるのではないでしょうか?
 予算の大半が女性商材と考えれれば、すでにPCの利用は半分を割っているわけですから、今後もPCだけだと、なんと片手落ちと言えます。

 元々Webの価値とは「データを計測」できる点にあります。WebはPOSシステムのようなもので、「さまざまな広告プランの真ん中において、リアルタイム(に近い)計測ができる点に価値がある」ということでした。クロスメディアやIMC(統合マーケティングコミュニケーション)の理論でも、真ん中はWebが最適だというものでした。

 つまり、今の広告プランの多くは、Webのアクセス解析を元に、ユーザー動向の把握、LTV(ライフタイムバリュー)を測ってきたわけです。

 ところが、ここに大きな歪みがでてきました。PCのアクセスがモバイルよりも下回ってきているのです。モバイルのユーザー動向は、PCサイトが主流のユーザー動向とは大きく違うことが、私たちの研究でもわかってきました。つまり、「今のコミュニケーションプランは、モバイル向けには最適化されていない」と。

 となると、スマートフォンに加えて、今度伸びるであろうタブレットを含めたマルチスクリーンでのアクセス解析と分析がますます重要になってきます。

 モバイルのアクセス解析を見ると、PCに比べて大きく異なるケースもあります。地理的なアクセスが大きく代わったり、場合によりそれは国単位だったり、時間帯や休日利用が大きく代わる場合もあります。また年代や性別までも代わってしまう場合も見受けられます。
 これからはそうした各デバイスごとのアクセス状況をみながら、それぞれのコミュニケーションプランを最適化しないと片手落ちというわけで、CVRは大きく下がってしまうことが予想されます。


モバイルサイトがなければ、

コミュニケーションプランなんてできない。



 もしモバイルサイトがなければ、それはユーザー対策をしていないことと等しいかもしれません。
 何度も繰り返しますが、利用者層が20%台ではなく50%を大きく越えているのです。いいかえれば、モバイルWebを用意していない企業は、正しいコミュニケーションができていない、していないという現実です。
 モバイルサイトがなければUX(ユーザーエキスペリエンス)は低いままの状態です。ユーザーは、場合によりPCを持っていない可能性もあります。彼ら、彼女が持っているのは、スマートフォンであり、タブレットです。今日、若者向けに新聞広告を出そうとする企業はいないはずです。

それが現実に、Web環境に起こってきています。2014年はモバイルの年という呑気なターニングポイントというより、ドラスティックに意識を変えなければならない「PCウエブの最後の日~This Year is the end of PC-web」なのかもしれません。

2014年4月22日火曜日

ろくでなしのモバイルサイトはいらない

ろくでなしのモバイルサイトはいらない。 

 2012年頃には、まだ10%台だったスマートフォンの普及率が、ついに50%を超えるほどになってきました。若年層や女性層の間では、普及率が80%を超える普及率となったカテゴリーもあります。

 そのためWebサイトにアクセスするデバイスも、PCではなくスマートフォンやタブレットからの流入がかなりの数になってきました。昨年11月には、ヤフーのトップページのアクセスがPC側とモバイル側で逆転しました。もはやインターネットのアクセスは、モバイルが中心といって過言ではないのです。

 こんな状況を受け入れがたく思う人たちは少なくありません。モバイルの最適化を進めている私たち自身でも、現実の利用状況には驚くばかりです。多くの企業Web担当者が戸惑うのも無理はありません。

「まだまだPCサイトは主流。そんなに急いで対応してどうする?」

と、多くのWeb担当者が心のどこかに思っていることでしょう。

 あまりにも激しい普及スピードに比べて、存在するモバイルサイトの多くは、お粗末なパフォーマンスサイトがほとんどです。すでにほころびや問題課題、また将来的にみても「やり替え」を余儀なくするサイトがあまりにも多いのです。実に無駄で、私たちはこれを「ろくでなしサイト」としています。


ろくでなしサイトは、やり直しがすぐに必要になる

「ろくでなしのモバイルサイト」が生まれてしまった背景には、正しい情報や、よい悪いの性能精査、勝手に決めつけたルール、少ない予算などが生み出してしまった原因です。これらサイトには、次のような特徴があります。

 □ろくでなしモバイルサイト
       縦スクロールが長すぎるサイト
       操作系など、使い勝手が良くないサイト
       タブレットで使いにくいサイト
       表示スピードが遅すぎるサイト
       画像が重すぎるサイト、
       写真画像が汚いサイト
       ソーシャルシェアでちぐはぐなサイト
       ドメインやURLが異なるサイト
       SEO対策で上位表示されないサイト
       モバイル優先で設計されていないサイト
       ソースコードが汚いサイト
       正規表現で作られていないサイト

 これらの問題を整理するとおよそ次の5つのポイントに絞られてきます。

 □やってはいけない必要事項 
       ユーザービリティが悪い (使いにくい)
       別々のサイトになっている(LPが別々=SEOが悪い)
       表示スピードが遅い (見た目重視でパフォーマンスが考慮されていない)
       モバイル優先のデザインではない(モバイルファースト)
       Webが構造化されていない(正しい表記されていない)


 これらの不都合は、将来を見据えた「マルチスクリーン時代に対応したWebサイト」を目指せるはずはありません。あくまでも暫定的でトライアル段階の未熟なモバイルサイトだったというわけです。

 ただし、すでに作ってしまったものは仕方ありません。大切なのは、これから構築する新しいサイトに対しては、将来を見据えて、やり直しの少ない正しいアプローチを行う必要があります。なにより、もったいないのは「時間の無駄」であり、「お金の無駄」です。マルチスクリーンの時代のWebには、こうしたことをクリアして、正しくサイトを構築していく必要があります。

 
 次回は、私たち2年半の活動の中でみえてきた「ろくでなしサイト」はなぜ生み出されてくるのか? なぜ構造的にそうなのか? どう改修すべきか?のアプローチについて解説してみます。

2014年2月6日木曜日

モバイルは異なるサイトではダメ! マルチスクリーン時代のシナリオはどうする?

あるWebマスターがモバイルついて言います。

「デバイスによっては、利用するユーザー層が違うから、ウェブサイトは違っていていいんです。むしろそれ専用に作るほうがいまのところ望ましいと考えています」。

 こんなお話をモバイルサイトを運用する人たちからよく聞きます。つまり、使うデバイスによって、ユーザー層がかなり異なり、利用形態もPCとはかなり異なるから、サイトは専用サイトのやり方のほうが望ましいから、という考えです。


 はたしてこれは本当でしょうか?この論理の根拠は、10年続いたフィーチャーフォンサイト時代に遡ります。フィーチャーフォンの場合は、元々PCサイトなんか見ないティーン層や主婦層が利用者でした。それぞれ別の行動スタイルを持っており、WebサイトもPCとは分けたほうがいいとう考えです。ここで言われるキーワードは「シナリオ」です。
 つまりユーザーや行動がそれぞれ違うから、シナリオを分けてWebサイトを構築すべきだという考えでした。

6インチも登場。進むマルチスクリーンによるユーザー断片化

ところが、いくつかの問題点が表れてきました。

すでにスマートフォンと言っても、スクリーンサイズは4インチから5インチに拡大。2014年の春モデルからは6インチオーバーという時代に突入してきました。これらのスクリーンサイズだけでも10種類以上を超えてきています。果たして、スマホだけで、同じストーリーでいいでしょうか?4インチと6インチではUIや画像そのものの品質もチューニングの必要がでてきます。

同じスマートフォンでもこのサイズの違い AUの資料より


 一方で、タブレットはどうでしょう。こちらも9インチを中心に7インチから18オーバーとなってきており、中には21.5インチとPC以上の大きさを持つものまでで登場してきました。タブレットに関していうと、PCサイトとの決定的な違いは、UI(ユーザービリティ)が異なるという点です。クリック&ドラッグのUIではなく、タッチ&スワイプのUIである必要があり、シナリオ設計の土台にもなる重要な部分です。


               HPが投入した21.5インチのタブレット。大きい!


 またすでに女性層や家庭ではタブレットが大半を占めてきており、シナリオ的にもスマートフォンとは、少し違ったタブレット専用のシナリオ設計が必要です。

 おまけにGoogleが発表したように、ユーザーの多くは複数のデバイスを所有して、各デバイスを遷移しながら利用するユーザー層が増えてきました。
 どんなシナリオも当てはまらない、混沌とした状況が生まれてくるわけです。





           各デバイスを遷移して利用するユーザーの割合 by Google

 
 マルチスクリーン時代におけるユーザー行動への疑問をさらに整理しておきましょう。

・4インチと6インチのユーザーは同じ行動をするか?

・スマホユーザーとタブレットのユーザーはどう違でしょうか?

・モバイルユーザーは、PCユーザーはどう違うでしょうか?

・モバイルを持つ人だけと、PCと併用する人はどう違うのでしょうか?


 このように複雑化してくると、「膨大なシナリオ設計をして、常にアップデートする」必要がでてくるわけです。どういうことかというと、刻々と変わるデバイスサイズや機能に併せて、ユーザー行動やその成長具合をみながら、きめ細かいリサーチを元に、個々に併せたシナリオを設計し、それに基づいたサイトをアップデートしていく必要があるわけです。



                断片化するスクリーンサイズ Androidの場合



 これは現実的ではありません。誰がそんな複雑な設計を可能にできるでしょうか?またコスト的にも、細かいシナリオに併せたサイトを複数持つことが可能でしょうか?エリートのEマーケッターと膨大な予算があれば、可能かもしれませんが。


重要になってくるのは「コンテンツと機能の同一性」。

複雑のシナリオを作り続けること自体がナンセンスです。そのためモバイルユーザーとPCユーザーの最大公約数か、もしくはモバイルユーザーを原則としたモバイルファースト設計にならざる得ないでしょう。PCユーザーが相変わらずメインだというなら、PCユーザーのシナリオをもう一度再設計する必要があります。

 モバイル最適化サービスを提供するカナダ・Mobify社のCTO ジョン・ボクサールが言います

「マルチスクリーンの時代は、コンテンツと機能の同一性が重要だ」と。


 どんなシナリオを用意してもズレが生じてしまうのです。PCのシナリオか、モバイル用シナリオかという議論そのものは、そろそろ終演を迎えているのかもしれません。時代はマルチスクリーンに向かっています。マルチスクリーン時代に併せた最大公約数的に生かせるシナリオ設計こそが重要になってくるのではないでしょうか?

 
企業担当者はほっと胸をなで下ろすのかもしれせん。
これで、膨大なシナリオ作成と膨大な各サイト構築から逃れられると。

 次世代のシナリオは、マルチスクリーンの利用と行動遷移から設計されてくるべきです。そこには
コストや運用の点でも、別のサイトをそれぞれ持つことはあり得ないでしょう。同じ1つのサイトで、機能とコンテンツの同一性をもたせることが必要だと言わざるえません。

専用サイトをもつことは、ほんの少しだけ1年くらいは、有効かもしれません。しかし、その根拠となるシナリオもスクリーンの増大とともに、複数化しはじめてきます。専用サイトは、モバイルSEOにおいては圧倒的に不利と言わざる得ません。



2014年1月14日火曜日

おもてなしのためのWebなら、タブレットサイトでしょう!

「おもてなしWebのためのサイトの構築法」

おもてなしなら、タブレットサイトでしょう!



 昨年のオリンピック選考会でキーワードとなった「おもてなし」。

さて公約ともいえる、この「おもてなし」とは何をすべきなんでしょう? ハワイのようにレイを掛けてあげることではない、日本的なおもてなしとは?

 すでに、各公共機関、交通機関、各企業、各商店街、デパートなどでは、ようやく本腰を上げて検討を始めたようです。その解決アプローチのひとつは、「外国人に対して、日本(東京)の情報がストレスなく届けらること」でしょう。

 Webサイトに限っていえば、Webサイトの「マルチリンガル対応」(多言語対応)と「モバイル対応」の2つがポイントになってきます。マルチリンガルならば、英語以外の主要言語をカバーする必要があります。また、もう一つはWebサイトのモバイル対応です。つまり、スマートフォンなどで、「適切」に表示されることが不可欠です。


2020年ならば、タブレット対応はマストな時代です。

しかし、7年後の理想のWebサイトを予測するなら「スマートフォン」だけでは不十分です。そう、「タブレット対応」も不可欠なはずです。

 というのも、2014年1月9日、米調査会社のIDCは、パソコンの出荷台数が、3億1455万台となり、対前年比10%ダウンで過去最大となったと発表しました。これは2年連続のダウンです。

 実際に、日本に訪れる外国人観光客をウオッチしてみてください。タブレットを持ち込む人が多く、空港や飛行機内でもPCを使っている人をほとんど見かけなくなりました。こうなると、スマートフォンだけでなくタブレットとパソコンを対象として「マルチスクリーン対応」を考えて行く必要があります。


 2020年の7年後の様子をITの進化と利用の様子を予測してみましょう。

  • モバイルはSIMフリーが当たり前、ローミングが低料金になる。レンタルする必要もなくなる。
  • タブレットが高機能化して、ほぼPC並の機能や性能を持ち、中心的なものとなる。
  • タブレットは低料金化し、1万~3万円前後。PC利用者のほとんどが置き換わる。
  • WIFIおよび4G、5Gへと、より通信速度の高速化が進み、環境も整えられる
  • パソコンは、一部、ビジネス&クリエイティブの現場において使われる。
  • スマートフォン、タブレットの複数台の所有が当たり前となり、各デバイスを使い分ける
  • スクリーンサイズは4インチから12インチと各サイズバラバラとなる。


 これらはITにある程度、詳しい人なら、およそ予測できるもので特別なものではありません。すでに始まっている事象もあるし、1~2年後にはもっと明らかになることでしょう。

 話を「おもてなしのためのWebサイトの構築法」に戻すと、2つ目の「モバイル対応」は、スマートフォン対応だけだと、片手落ちになってしまいます。

 タブレットを含めた「マルチスクリーン対応」こそが重要で、スマートフォンサイトだけでなく、新たにタブレットサイト、そしてPCサイトといった個々のスクリーンに併せた準備が求められるのです。

 しかし、ここまで各公共機関や各企業は、モバイル対応を考えて進めているでしょうか?おまけにどんなアプローチでWebサイトを構築しようとしているのでしょう? スマートフォン専用サイトを作ったりすると、最悪だとオリンピックまでにもう一度やり直しをすることも考えられます。

 いまこそ、中期的なビジョンのもと、どういう条件を抑えてWebサイトを構築すべきか、問われる他ミングとなってきました。

 次回からはこのあたりを整理してみましょう。


2013年12月14日土曜日

ネットショップは、スキーショップの賑わいを減らす!

ネットショップは、ひとつの街の賑わいさえ減らし始めた!


師走となった土曜日の夕方の御茶ノ水の界隈のことです。
スポーツ用品が並ぶ靖国通り裏手にあるラーメン店の中。

店主がいいます。
「もうこのあたりガラガラでしょう。昔はこんなことはなかった」

「ん・・・・・・」 

まだ夕方の6時をまわったにすぎない。

「今はみんなインターネットだから、ここまでくる必要がないですよ」


 かつて、ここ御茶ノ水のスキーショップ街は、「安さ」を求めて、東京近郊から
人々が集まり、車がごった返していました。

この街に来る目的は、少しでも安いモノを求めたり、バーゲンやタイムセールスだったり、特別クーポンだったりと、客寄せの仕掛けにのって、少し前はものスゴク人が集まっていたのです。

ところが、ここ数年はめっきりその数が
減ったといいます。

 私自身も、インターネットを生業としている手前、ネットスーパーや価格ドットコムなどの勢いは、理解はしているつもりでいましたが、ひとつの街の賑わいさえ減らし始めたとは思いもよりませんでした。

ネットはネット。お店はお店だったのだが・・・・

それぞれの役割は別々に機能し、それぞれ両立していたように思っていたのですが、
どうやら、少々事情がかわってきました。ひとつ街の賑わいさえ、深刻な影響を及ぼす時代になってきたようです。

 裏通りのラーメン店は、3軒ほど並んではいたもの、どの店のガラガラ。
通りに駐車するクルマの数も少なく、クライマックスを迎えようとしている12月の週末としては確かに寂しい感じがします。

確かに、もっときれいでスペースもたっぷりなデパートあたりで物色して、
丁寧に試着してサイズさえわかれば、あとはネットショップの出番です。

 御茶ノ水のように、かつてのメッカだけど、小売店街が集まる街というのはとうとう厳しくもなっているのでしょうか?秋葉原、浅草橋、小伝馬町などの街は、どうなんでしょうか?これからちょっとリサーチが必要です。

インターネット・ショップという勢いは、10年を超えて、いよいよ街そのものを変え始めてきたようなのです。









2013年12月12日木曜日

加速するモバイルコマース。トラフィックは34%も増。ブラックフライデーレポート

ブラックフライデー&サイバーマンデー・レポート

今年のブラックフライデー、およびサイバーマンデーはどうだったのでしょうか? 各メディアやオンラインのEマーケッターは、まさに「モバイルの年」と、レポートしています。

今年のネットショッピングでは、いかにスマートフォンやタブレットが、そのパフォーマンスを発揮したのか、そして人々がどのように行動したのかについてみてみましょう。

 下記の数字は、北米のネットショッピングに関するホットなニュースやデータを整理したものです。


 北米の数字を、私たち日本はどう受け止めるべきでしょうか?これらの数字を参考に2014年のモバイル戦略を考えてみましょう。



マーケッター、リテイラーが認める「モバイルの年」!


 少しなじみのない「ブラックフライデー」や「サイバーマンデー」について少しおさらいします。


 アメリカの祭日の1つに感謝祭(=サンクスギビングデイ)があります。
 毎年11月の第4週の木曜日とされ、その翌日は、感謝祭のバーゲンやクリスマス商戦がスタートします。アメリカ国民が狂ったように各店に殺到するのですが、この日をブラックフライデーと呼びます。 ネットショップも同様です。
 また翌週の月曜日には、オフィスからのネット注文が殺到することから「サイバーマンデー」と呼ばれます。感謝祭からサイバーマンデーにかけての数日の動きが、その年のクリスマス商戦を占う大切な指標として古くから注目されてきましたが、2000年以降は、オンラインショッピングにおいても、動向を把握する上で重要な指標となってきています。

まずは、IBMの発表です。

2013年、オンラインの売上は、それぞれ1日で、ブラックフライデーには11億9000億ドル(1190億円)サイバーマンデーには22億9000万ドル(2290億円)に達しました。     
出展:IBM



スマートフォンとタブレットのモバイル合計では、ブラックフライデーに2億5900万ドル(259億円)。サイバーマンデーに4億1900万ドル(419億円)という新記録を達成しました     

出展:Adobe Digital index 2013



ブラックフライデーのモバイルからのトラフィックは、全オンライントラフィックの39.7%に達し、2012年に比べて34%も増加しました。 
出展:IBM Black Friday Report



Jay Henderson, (IBM スマートコマース・戦略ディレクター)によると、「今年はモバイルの年です。ブラックフライデーにおけるモバイルのセールスは。2012年に比べて43%もアップし、オンラインショッピングに占める割合は22%となりました。」 

出展:IBM Black Friday Report



モバイル・セールスは、2012に比べて55.4%も増加し、全オンラインセールスの17%にも上りました。  
出展:IBM Black Friday Report



「ウォルマートでは、サイバーマンデーのトラフィックの半分以上は、モバイルから来ました。今年オンラインショッピングは、まさに"モバイルの年"と記憶されるでしょう」

ウォルマート・CEO Joel Anderson     出展:USA Today


iPadが、オンラインショッピングで利用されたツールです。感謝祭 ブラックフライデー、サイバーマンデーまでの数日の動きだけで売上は、4億1700万ドルとなりました。

出展:Adobe Digital index 2013



タブレットのコンバージョンレートは、スマートフォンの2倍以上となり、それぞれ5.4%、1.8%となりました   
出展: IBM Cyber Monday Report



平均のオーダー単価は、ブラックフライデーでは、タブレットは132.75ドル スマートフォンは115.63ドル。またサイバーマンデーでは、それぞれ126.30ドル、106.50ドルでした。 

出展: IBM Cyber Monday Report


Comscoreによると、2013年のブラックフライデー(11月29日)に、デスクトップのネット売上は11.98億ドルを記録し、同時期で初めて1日10億ドルを突破する史上最大のオンライン消費デーとなりました。2012年のブラックフライデーの15%増。サンクスギビングデー(11/28)は、前年比21%増の7.66億ドルでした。


ブラックフライデーには、6610万人のアメリカ人がデスクトップパソコンからネットショッピングサイトを訪れました。これは1年前より16%多い数字です。Amazonは、予想どおり、ブラックフフライデーで最も多くの人が訪れたサイトとなり、eBay、Walmart、Best Buy、およびTargetがこれに続きました。

出展:テッククランチ



北米に比べて2年ほど遅れているといわれる日本のモバイル利用ですが、2013年は普及率や利用率が驚くほどのスピードで高まってきました。むしろ提供側のモバイル対応やサービス対応のほうが追いつかない状況です。

 昨年は、タブレットコマースがスマートフォンコマースを追い越したといわれて、話題になりましたが、それでもモバイルからの売上は、全オンラインからの売上の10%前後でした。今年はモバイルからの売上の数字がかなり膨らんできました。
 
すでに北米でのモバイル対応策は、スマートフォンの最適表示のみだけでなく、タブレット対応を含めたマルチスクリーン対応での最適化策が本格化しはじめています。

 解決策の1つ、レスポンシブウエブデザインの採用の増加もそうです。これからはPCリニューアルではなく、モバイルリニューアルというカタチで、タブレットをにらんだ動きも少しと表れてきました。

さて、2014年の日本はどういう動きになるでしょうか?ぜひ、あなたご意見を聞かせてください。